「増税を前に、我が家も棚卸し」の最終回だよ。
棚卸し作業は骨が折れる。
小売業なら、今ある商品の数を一つ一つカウントしていくのだが、そりゃ商品アイテムの種類だけ、作業も大変ですって。
店の閉店時間を早めたり、店によっては休日を利用し、正規従業員総出の上にパートやアルバイトはもちろん、バックで働く事務員やPOP制作者まで駆り出して行うところも珍しくない。
棚卸し作業が終わっても、今度は帳簿との調合が待っている。
商品の実際の在り数が帳簿上の在り数と違っていれば、数える過程で間違えたのかも知れないし、そうでなければ帳簿の記入漏れということも考えられる。
ともあれ、そこを調整していくのだから、企業にとって棚卸し作業は決算前の一大イベントなのだよ。
もっとも、家庭での棚卸しは、後処理の面倒な操作などは念頭におかず、単に
「うちの家、今、どれだけモノを持っているか、あるものリストを作ろう」
くらいのノリでかまわないと思う。
それでも、たいがいの家庭にとっては容易ではないはず。
「えーっ、うちの家、こんなにモノがあるの? 貧乏なのに、何でぇ?」
と驚かれる方も少なくないのではないか。
そうなんだよね。
人間は強欲。「もっともっと」と、とくべつ必要はないモノまでついつい買ってしまうイキモノなのだ。
「我が家の棚卸し」は、しかし、私と同じ世代にとっては、自分たちの暮らしを見直すこと以外に、子どもや孫の今後をも視野に入れた生活を設計すること、すなわち終活の前準備でもある。
写真は、3人目の孫。
彼らに迷惑をかけないためにも、棚卸ししたいね。