ベトナム、カンボジアで出会った「販売員のプロ」その2〜ベトナム、パート2

f:id:ellenyannyan:20191025182702j:image

 

ベトナムカンボジアで出会った販売のプロ」の話題を続ける。

 

先の記事で紹介した、ベトナムホーチミン市の「粘りの販売員」からは、その売ることに対する執念と最後の最後まで諦めずに商品をすすめるガッツには感服すれど、彼女が押す商品とこちらの感性がどうしてもあい合わず、けっきょく商品は購入しなかった旨、書いた。

 

そして、その足で、私は違う店に入っていったのだ。
外観や看板から、先ほどとは数段もランクアップした店だとわかる。

 

そこでも、やはり、販売員はピタリと付いてきた。
ただ、前の店のようにペラペラとは喋らない。
日本語が出来ないせい?(英語は通じた)

 

「何をお探しですか?」
とおぼつかない英語で尋ねるので、私は、当時日常的に下げていたタイガーアイのペンダントを指差し、
「これと似たアクセサリー」
と、これまたジャパニーズイングリッシュで答えた。

 

実は、先ほどの「粘りの販売員」の気迫に、
「気に入ったタイプがあったら、ベトナムに来た記念に、一つくらいアクセサリーを買ってもいいかな」
という気になっていたのだ。

 

私の答を聞いたそこの販売員は、私をアクセサリーコーナーに連れて行った。
と、ある三日月形のペンダントが、私の目に飛び込んで来た。

 

カタチに惹かれたのではない。
色だ。
一目で人造とわかる、安っぽい、だが、それがゆえに強烈にアピールするグリーン。

 

その昔に読んだ「郵便配達は二度ベルを鳴らす」というミステリーの中で、主人公のフランクがフラリと立ち寄った安食堂で「いかにも」と感じた女将に一目惚れをする場面があったけれど、まさにあの感じ。
チープならではの魅力を放つグリーンに、私は特別な興味を持った。

 

販売員は、私の表情の変化を見逃さなかった。
すぐにそのペンダントを手にとり、片言英語を羅列しながら、私の首にかけることに承諾を得、次にどこからか鏡を持ってこさせ、正面のみならず、横や斜めからも、そのペンダントをつけた私の姿を見せつけた。

 

別の意味で、彼女も粘りがあるね。

 

なお、この時に買ったこの三日月形のペンダントは、現在も愛用している。
色も形もチープフィーリング満点な魅力があるので、普段にもよく利用しているのだ。

 

写真は、ホーチミン市の街角の一光景。