グループプレイ(コンビプレイ、チームプレイ)を見直す

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コロナによる自粛で、相変わらず、読書と雑文書きと映画鑑賞と料理に暮れる日々。
わけても、近くにある病院でクラスターが発生して以来、周辺の店はスーパーと薬局をのぞいて軒並み休業の札を掲げたから、通りから本当に人が消えてしまった。


もう腹を決め、こもるしかない。


アメリカの推理作家、エラリー・クイーンによる「シャム双生児の秘密」を読んだ。
迫り来る山火事を背景に、山荘での殺人事件を取り上げたこの物語は、執筆から87年経った今なお、息もつかせぬスリルとスピード感に満ちている。
同時に、
「こんな面白いトリックとストーリーは、もしかすると、共作だから生まれたのかもなあ」
と、ページをめくりながら思ったのだった。


そう! エラリー・クイーンは1人の作家ではない。フレデリック・ダネイとマンフレッド・リーの2人による作家なのだ(もちろん、エラリー・クイーンペンネーム)。


具体的には、プロット(あらすじ)とトリックをダネイが考案し、それをもとにリーが執筆したと言う。
この共同創作方式は、プロットを作成するのは得意だが文章が苦手なダネイ、反対に文章表現には長けているけれどもプロットが立てられないリーの、互いの欠点を補強するために考え出されたのだとか。


このようなコンビは、実はビジネス界でも存在する。
一つ例をあげるなら、アップル。素晴らしい技術を持っていたスティーブ・ウォズニアックと、素晴らしいビジネス感覚を持っていたスティーブ・ジョブスのコンビだ。


初めてのパソコンは、ウォズニアックが1人で作った。
それを他社に技術を売らず自分たちで製造販売するシステムを考えたのがジョブス。
一流の技術者と一流のビジネスマンががっしりと手を組んだからこそ、アップルは世界のアップルになったのだ。


コンビプレイ、チームプレイ、すなわちグループプレイの良さを、いま一度見直してもよいと思う。
複数で仕事をするとなると、日本では、やれ根回しだの同調圧力だの、弊害も指摘されるが、そういう従来の長いものには巻かれろ式なグループプレイではなく、個々の特性を認め、尊重しあった上でのグループプレイである。


ちなみに、この新感覚のグループプレイ。やがて私たちデモンストレーターの世界にも及んでくると予測する。

 

写真は、エラリー・クイーン(Googleから引用)。