ズバリ、お尋ねします。
「あんこは好きですか?」
少なくとも、私のまわりには、同じ日本人に限れば
「嫌いだよ」
と答える人はいない。
食べる量はともかく、
「あの素朴な甘味、おばあちゃんが作ってくれたぜんざいを思い出すな」
とか
「和菓子ばかりでなく、洋のもの、例えばパンケーキやアイスクリームや生クリームの上に乗せても美味しいのよね」
とか、あんこに対して好意的なイメージを持つ人が多い。
それだからこそ、架空のヒーロー「アンパンマン」は国民的な存在になり得たのだ。
では、日本人以外の人にはどうか?
これも私のまわりでの話になるが、あんこの好き嫌いは、見事なまでに二分されている。
韓国や台湾など、東アジア出身の人には好きな人が多いけれど、欧米出身の人となると、
「大好き」
と目尻を下げる人がいる反面、
「べったりしている」
とか
「泥みたい」
とか、敬遠する人も。
「甘すぎる」
の声も多い。
ん? 甘すぎる?
私たち日本人からすれば、バターとシュガーがたっぷりの欧米のお菓子の中には、それこそ「甘すぎる」ものもけっこうあるよね?
まあ、それは個々の嗜好だからともかく、あんこを主体とした、いわゆる和菓子離れが国内で進んでいるとされる現在、活路を、とりあえずは国外や外国人向けの販売に見出し、「逆輸入」をねらってもよいと、個人的に感じるからだ。
ちなみに、15年ほど前だったか。
某メーカーの食パンの宣伝販売を担当した時、試食メニューに営業マンのアイディアで粒あんを使った「小倉トースト」を出したところが、大人気。
日本人は、やはり、あんこが好きだ。