早すぎる結婚は

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(注)12月21日に書いた記事。

 

昨夜は遅くまで、エドガー・アラン・ポーの作品集を読み返していた。「黒猫」や「アッシャー家の崩壊」「赤死病の仮面」などで知られ、世界初の推理小説を書いたともされるポーは、そんなに好きと言うわけでもないが、どこか気になるところがあって時折り読み返したくなる作家の1人だ。


このポー。1835年に27歳で結婚しているが、新妻(ヴァージニア。写真。Wikipediaより)はまだ13歳!だった。
13歳と言えば、ちょうど初潮を迎える頃。そんな年齢の女の子がいきなり「妻」になるなんて、もしかしてヴァージニアは結婚がどういうものかよくわからないまま嫁いだ(あるいは嫁がざるをえなかった)のかもね。
さらに、当時はそんなケース(女性が10代前半ないし半ば頃で結婚)は別に珍しいことではなかったのかも知れないね。


ともあれ、ポーはこの幼妻を熱愛し、彼女をモチーフに美しい詩を書いて、短編もいくつか残している。
その愛情と愛情からくる行為自体は崇高なものなのだが、同性としては何となくひっかかってしまう。


13歳。本来なら、1800年代前半の頃でも、私塾なり学校なりで学んだり、ピクニックに出かけたり、友だちと他愛もないお喋りに興じたり、お芝居を観て笑いころげたりと、いわゆる娘時代ならではの楽しみを満喫している年齢。
それを味わうことなく、来る日も来る日も奥さん業。
いくら夫に愛されていても、いや、それゆえに夫は彼女が味わったであろう青春と未来への可能性を、はからずも奪ったことにならないか。


ポーの作品の中で恐らくは最も知られているであろう「黒猫」は、極貧のなか薪を買う金もなく飼い猫を抱いて暖をとっていたヴァージニアの姿からインスピレーションを得て執筆したとされている。


ヴァージニアの死から170年経った21世紀の今日では、いくら何でも13歳の少女が年齢の離れた成人男子と結婚なんて、、、とも思いきや、国によっては決してそうではないらしい。
先だっても、親の命令で12歳で結婚(その国では、女性は結婚して夫につかえ子どもを育てることこそが、女性にとって一番の幸せだと考えられている)し、15歳にして二児の母親になっている某国の少女が紹介されていた。


未だ根の深い問題だ。