斜視のデモンストレーターに学んだこと。

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3月18日の浴室での事故から10日経った。
左目上部の骨を浴槽の壁で強打してコブが出来、そこから内出血して腫れ上がった左目は、繰り返すが回復状態に向かっている。


それでも、まだ、こんもりと盛り上がった瞼。
その厚ぼったい中に我が左目は埋もれっぱなし。
まあ、コブがまだ完治していないから、仕方ないわなあ。


それに、ええか。とりあえずは目が完全に開くようになったのだから。


目と言えば、数年前に出会い、何度か現場を共にした、斜視のデモンストレーターを思い出す。


ぶっちゃけ、軽度の斜視の人ならけっこう見かけるし、女優やタレントの中にもいる。
それを知った上で、最初にくだんのデモンストレーターの彼女に会った時、失礼を承知で思わずエエッと内心で驚き、目のやり場に困ったものだ、、、つまり、彼女の斜視は素人目にも一見してわかるものだったのだ。


そんな私の「エエッ」とは裏腹に、彼女は同業者の私に笑顔で、かつ、屈託ない口調で話しかけてきた。
「はじめまして。〇〇(メーカー名)の△△(商品名)の販売で来ました。よろしく」
と、挨拶からはじまり、次に
「この店、私、初めてなんですよ、、、。えっと、試食調理室はどこか、知ってはります?」
「ここ、ゴミの分別、どうなっているんですか?」
など、宣伝販売を実施するに必要な基本的な事柄を質問。その声とテンポ。実にハリがあり、ハキハキとリズミカル。


売場も、たまたま私の担当売場のすぐ隣。
立っている彼女、元気がいいし、愛嬌はあるし、セールトークはうまいし、当然ながら販売量は上々。その一連を見ているうち、彼女の斜視は気にならなくなった。
「この人はこういう顔。それだけのこと」
そんなふうに思えてきたのだ。
接するお客様もそうだったろう。


人の見た目なんて、そんなものかも知れない。
結局は、仕事の実力と人間性。プラス、個性。
ほら、俳優のオーウェン・ウィルソンだって、高校時代のフットボールの試合で事故って曲がってしまった鼻で、でも堂々とスクリーンに登場し、
オーウェンはああいう顔。それだけのこと」
と、観る者に思わせてしまっているじゃないの。


とは言え、かつてのテレビ番組「ビューティ・コロシアム」(容姿に劣等感を持つ者が美容整形外科をはじめとするスタッフの力で変身する過程を追った内容)みたいなケースもあるから、一概には言えないけれど、、、。


ただ言える。
過度なルッキズム(外見至上主義)は、人種差別ほか、すべての差別に結びつくと。


今回、いろいろと考えさせられた。


写真は、一番上の孫。