土手煮

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粉雪舞う、底冷えのきつい今日の京都。
こんな日は、牛すじを大根やこんにゃくとコトコト煮込む土手煮を、ストーブで作ろう。


土手煮で思い出したことがある。
数年前、宣伝販売を請け負った某醤油メーカーの試食メニューが、これだったのだ。
「圧力鍋を使うのならともかく、普通のグリル鍋で、開店1時間前後までに土手煮が作れるはずがない」
と、業務指示書が届いた時点で、仕事を振ってくれた派遣会社を通じてエージェンシーに訴え、メーカーに試食メニューを考え直してくれるようにお願いしたのだが、エージェンシーの責任者はオス化したバリキャリ。学校を出てから、料理をはじめ日常の雑事のいっさいを母親にしてもらって仕事に邁進しているタイプなので、そこいらのことがどうもわかっていただけない。
仕事をもらう身であるこちらは従うしかなかった。


困窮した私の目に、ふと、某クッキングサイトにアップされた素人主婦のこんな記事が!
「すじ肉をウィルキンソンなどの炭酸で煮込むと、圧力鍋を使わなくても土手煮が速く出来ますよ」。


さっそく実験。うまくいった。
「ああ! 助かった」
しんからそう思った。


デモ当日。グリル鍋で作った土手煮の試食は大評判。しかも、炭酸を加えるだけで、今までのように時間をかけずとも普通の鍋で作れるとあって、お客さんにも大変に喜ばれた(デモンストレーター冥利に尽きる)。
その体験を通し、あらためて知ったのだ、、、机の前に座って頭でメニューを考えるメーカー栄養士(試食メニュー考案者)より、毎日毎日キッチンに立って家族のために手で食事を作っている主婦の方が、よほど「実践」を知っていると。


皆さんも試してみて下さい。
味付けする前、すじ肉をアクを取りながら15分ほど煮、湯を捨てて水で洗ったあと、また鍋に戻して炭酸で15分ほど煮る。
これだけです。(写真はWikipedia)。