雪は降る。あなたは来ない、ではなく、電車は来ない。

過去の記事。雪は降る。あなたは来ない、ではなく、電車は来ない。

 

https://youtu.be/jzSGQxFESSA

 

歌っているアダモ自らが作り、世界的に知られたこの曲には、忘れられぬ思い出がある(ちなみに、日本語詞を書いたのは、安井かずみだったっけ?)。

デモンストレーターになって2年目の2005年1月。片道4時間半かけ、京都の福知山経由で兵庫県城崎郡まで仕事に行った(遠方手当の額に惹かれたのだ)。

城崎郡はその日は大雪。現場の最寄駅に着いてみれば、通り道すら、腰近くまで積もった雪。それを、時にかき分けかき分け、現場の店にたどり着いた。

帰りは積雪の上にみぞれが振り注ぐ。電車は遅れながらも乗り換えの福知山駅まで着いたものの、そこでまたも立ち往生。「京都発福知山行き・折り返し京都行き」となる電車が、雪で速度を大幅に落として運転しており、いつ福知山に到着するか予想がつかなかったからだ。

当時、福知山駅のホームにはうどん屋などはもちろん喫茶店もなく、自動販売機のコーヒーや紅茶を何杯も飲んで暖をとりながら、線路に降り注ぐ雪をながめ、
「雪は降る。電車は来ない」
と、心で歌い、気持ちをなだめていた。

寒かった。芯から寒かった。無事に京都まで帰れるかどうか、その心細さもあって、寒気が身に染みたものだ(幸い、遅れて福知山に到着し折り返した電車で、京都駅からの地下鉄の最終に乗れる時間に帰ることが出来た)。

今でも雪のシーズンとなってこの歌が流れてくると、あの福知山駅での情景が鮮やかに蘇る