(注)10月15日に書いた記事。
手術を控えた夫が訴える。
「生きているのが辛くなるほど(がんが出来た)肛門の奥が痛い。夜も眠れない」。
そう!
がんって、痛いのよね。自覚症状がない初期段階ではほとんど感じないけれど、進行してくると半端なく痛いとは、よく聞く。
おまけに、とった栄養分はがんのエサになるから、どんどん痩せていく。
当然、貧血その他の症状に襲われる。
知り合いの1人に
「老いた両親の病院への送り迎えや頼まれた買い物などの世話、全部私が引き受けている。唯一のきょうだいである兄は胃がんで胃を全摘していて(身体が)しんどいとかで、何もしない」
と憤っている人がいるが、これは、ぶっちゃけ、仕方がないよ。
臓器摘出というのは大変なことで、本当にお兄さんは自分のことで精一杯なんだと思う。
ついでにお兄さんの奥さんも、健康な夫を持つ人にはわからない諸々の苦労を引き受けていると推測する。
とは言え、子どもの1人だけが親の介護を背負いこむのもなあ、、、。
それに、実は上のようなケース、けっこう多いのではないか。
仕事仲間の1人にも臓器を摘出した人がいる。40代のはじめに婦人科系のがんを患ったのだ。
「子どものために生きていたかったから、臓器摘出に同意したけれど、術後も副作用が強烈だったよ。すごく辛かった。おまけに髪の毛は抜けたし、体質も変わったのか太ってしまった。でも、たった1人の子どもの成長を見守ってやれることが出来る。幸せで幸せでセラトニンが出過ぎたせいか、今ではすっかり健康になった」
と、屈託なく笑う現在の彼女からは、病む人の陰りはない。
痛みも苦しみも、
「何がなんでも生きたい」
という強烈なモチベーション=生への執念があってこそ、克服出来るものなのだろう。