「モンスーン・ウェディング」(2001年、ミラ・ナイール監督)に考える。

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「モンスーン・ウェディング」(ミラ・ナイール監督、2001年、インド、アメリカ、フランス、イタリア、ドイツ)。

 

(あらすじ)
インド北西部のパンジャブ地方を舞台に展開される、1人娘の結婚をめぐる人間模様を描く名作。


放送局に勤めるアディティ・ヴァルマーは、妻子ある上司との不倫の恋に疲れ、親が決めてきた縁談を受けることに。


結婚式にのぞむため、オーストラリアに留学しているアディティのいとこなど親戚が世界中から集まってくる中、やはり不倫相手への未練が断ち切れないアディティ。
それでも、彼の身勝手さや親が選んだ花婿へマント・ライの誠実さに次第に心が揺れ、、、。


子の幸福を願う親の気持ちは、いつの時代でも、そして、どこの国でも同じ。
だからこそ、ラストシーン間近で示したアディティの父ラリットが、姪にセクハラを繰り返していた義兄への、家長としての決然とした態度に心打たれる。


同時に、
「結婚生活に嘘はつけないわ」
と、正直に不倫相手との経緯を話したアディティと、そのことに一度は憤りながらも
「親の勧めであれ、街中での出会いであれ、結婚にリスクはつきものだ。(不倫の事実を)隠すことも出来たのに、君は正直で勇気ある女性だね」
と、アディティのすべてを受け入れたへマントの包容力、さらに、結婚式の式場を設営したイベント・プロデューサー、ドゥベーとヴァルマー家の使用人アリスとの恋愛、どちらも感動もの。


画中にあらわされるインドの町中の情景もお見事。
インドに行きたくなったわ。