しつこく、しつこく、トマトジュースネタを続けましょう。
2024年度の新物トマトを絞ったジュースのデモをしているうち、こんなお客さんに出会った。
「トマトのジュースも何も、ワシ、トマトそのものがあかんねん。あのニオイがなあ、、、。いや、最近のトマトはそうじゃないってことは知っているんやが、ワシの子どもの頃のトマトはまことに青くそうてな。その記憶が強烈で」
ああ、わかるわかる。食べる前に、まずニオイに抵抗があるというアレね。
そして、この感覚、脳細胞や五感に染み渡り、成長してもなかなか消えない。これも、わかる、わかるんだよ。
もっとも、これは、トマトに限ったことではない。
例えば、この私。宣伝販売の仕事で某漬物会社のたくあんを担当する前は、たくあんが、どうしてもどうしても苦手だった。
理由は、トマトに抵抗を示すお客さん同様に、ニオイ。
1957年、岡山は東南部の農村に生まれた私にとって、たくあんは身近な食品だった。我が家は非農家ながら、ほぼ専業農家である父方の実家をはじめ、周りのほとんどの家は、地で実る大根を使ったたくあんをおのおのの家庭で作っていたっけ。
この時代の農家の自家製たくあんのニオイを覚えておられる方はいるだろうか。
ぶっちゃけ、筆舌にしがたいものも少なくなかったことを体験者として伝えておくと同時に、一般に
「食べ物は見た目も大事」
とされる説に、
「それ以前に嗅覚」
と、提案したい。
そうなんだよ。
見てくれよりはまず、食物から発するニオイで、それを食べようかどうかが左右される。
これは、トマトやたくあん以外に、納豆やレバー、その他ニオイがきついとされる食品にも言える。
反面、その強烈なニオイは個性でもあるんだよなあ、、、。
なぜって、「青くさいトマト」や「〇〇〇の匂いがするたくあん」を懐かしむ人も、実は多いからね。
難しい問題だ。
なお、昭和の夏の風物詩と称しても差し支えない「青くさいトマト」は、ネット検索をかけたところ、「世界一」「ポンテローザ」「ファースト」などの品種で、残念ながら現在では一般の店舗には出回っていないとのこと。
つまり、自分で作るしかないのだ!
写真は、種の専門店「松尾農園」(長崎県松浦市志佐町浦免1252)が販売する「ポンテローザ」の種。ネット購入も出来るし(楽天にショップを開いている)、YouTubeでもチャンネルをもうけて園芸指導しているから、トマトを育てられる環境にある方は、試してみられるのもイイね!