
先週の土日は、奈良県の某大型スーパーで、すき焼きのデモ。
およそ3年間に及んだコロナ禍のもと試食販売が中止となり、その影響からか、全般に試食人口自体は減っているのだが、焼肉やステーキ同様、すき焼き人気も不動。
諸般の理由から肉以外の具材はネギだけだったのに、それでも、たくさん、たくさん、試食が出た(その割には、販売商品だった「すき焼きのタレ」の売上数がイマイチだったのが残念だったけれど)。
すき焼きとくれば、映画「続・3丁目の夕陽」でもえがかれているように、かつては、少なくとも日本が高度成長の波に乗り切るまでは、ズバリ、ちょっとしたご馳走メニューだった。
具体的には、気のおけない、しかし特別な意味を持つ来客があったとか、入学や就職が決まったお祝いとか、そういう「晴れ」の日に、皆で囲んで食べるものだったのだ。
このことは、高度成長期を過ぎ、バブル期の舞い上がり光景もついえ去った令和の現在においても、基本的には変わっていないと感じる。
だって、すき焼きをするには、それなりにお金がかかるでしょ(肉からして、コマやバラではなく、お世辞にも安くはないすき焼き用を使う)。必然的に、そう頻繁に作れるものではなくなる。
すき焼きが、関東と関西では微妙に作り方が違うことは広く知られているが、具材の差も地域によって違うことは、あまり知られていない。
肉は牛肉が一般的ながら、その地の特産だからと、豚肉や鶏肉、また猪肉を使うところもある。
また、同じ理由でうなぎを使うところも。
十数年前、平飼いの鶏肉のデモンストレーションで、近畿地方でチェーン展開するローカルスーパーの1つを訪れたところ、店の部門担当者に
「試食メニューはすき焼きにして」
と言われたことがある。
「オレの出身の名古屋のどこそこはすき焼きをトリで作るねん。ギュウと違ってちょっと時間がかかるけれど、味が染みるとメチャ美味しいんや。病みつきになるで」。
実際、試食したお客さんには大好評。
調理して販売する私も、その牛肉とは違う鶏肉ならではのしなやかさとまろやかさに驚き、世界が広がった思いだった。
写真は、すき焼き(Wikipedia)。