
先週土曜日は、自宅から1時間ほどの場所にあるローカル・スーパーで、麺つゆのデモ。試食メニューは、シンプルにそうめん。
1日中、雨がダラダラと降り続く、ひんやりとした
日だった。
それもあってか。
そうめんも含めて麺、あるいはそれに付随するつゆを扱う案件には珍しく、試食人数も売上も低飛行気味(本来なら、試食はたくさん出て、販売数もそれなりのもの)。
振り返れば、そうめん関連のデモも、随分と担当したものだ。
確か、デモンストレーターになって2年目の頃からかな。王道のそうめん(具材やつゆ以外の味付けは一切なし。トッピングは薬味のネギのみか、せいぜいきゅうりとハムの2種ぐらい)と並び、つゆにトマトソースや中華だしやコチュジャンなどを加えたり、具材に色とりどりの野菜を多数載せたりする、俗名「変わりそうめん」のデモが増えた。
あと、そうめんを肉や野菜と共に炒めた、「そうめんチャンプル」とかね。
この変わりそうめん。最初は主に見た目の印象で
「えええーっ」
と引かれることが少なくなかったが、いざ食べてみると案外とイケるし、王道のそうめんに欠けている栄養素(タンパク質、食物繊維、各種ビタミン他)も摂れるので、徐々にお客様に受け入れられるようになり、2010年代前半には、そのデモ数は最盛期を迎えた。
もの珍しさもあったのだろう。
ところが、以後わずか数年の間に、変わりそうめんのデモはなくなってしまった。
この原因を、ベテランの仕事仲間は、私にこう話した。
「珍しいということはインパクトもあるということ。でも、そのインパクトが与える刺激に慣れたら、人間、飽きるんやな。ホラ、ご飯かて、いろいろな炊き込みご飯や混ぜご飯を食べ続けていたら、普通の何も味がついていないご飯が食べとうなるやんか。あれと同じ」。
ああ、わかる、わかるわ!
食パンにも同じことが言える。
生クリーム入りのコッテリ風味や、野菜だの種実類(ナッツやらクルミやら)だのバターだのを加えた味付けパンは、発売当初は話題になっても、それはいつまでも続かない。
時に大きく揺れても結局は元に戻って安定を保つ起き上がりこぼしのごとく、食物も調理も、「基本」がすたれることは、絶対にないのだ。
写真は、そうめん(Wikipedia)。
ついでに!
そうめんつゆのデモでは、使うそうめんを選ばないといけないよ! なぜなら、そうめんによって、試食されたお客様の感想も売上も違ってくるからだ。