
その昔。おおよそ連休明けには、新茶のデモが多かったものだ。
もちろんリーフスタイルだよ。そう、急須を使って淹れる、あの葉っぱタイプだ。
ところが、2000年代も後半になると、新茶は新茶でも、リーフどころかパックのスタイルでもなくなり、ペットボトル様式が主流となった、、、まあ、新世紀に入ると急須がない家庭も珍しくなくなったという理由にもよるものだろう。
それでもね、今なおたまにある茶葉のデモで急須でのお茶を試飲してもらうと、茶葉の味を覚えているお年寄りの方はもちろん、ペットボトル茶特有のあの味しかほとんど知らない若い人でも、
「ああ、美味しいなあ、、、。第一、香りが違う」
と感動して下さる。
ここでお買い上げ下さると、ぶっちゃけ、とても嬉しいのだが、お財布などとの関連もあり、なかなかそうはならないのが、悲しい現実。
とは言え、取り敢えず大切なのは、味わっていただくこと。
ペットボトルをラッパ飲みするのも豪快でよいけれど、いま少し時間と手間をかけた「急須で淹れたお茶」を飲むのも、風味といい芳香といいゆったりと時間が流れる体感といい、こちらも悪くないね、と五感で味わっていただくこと。
お茶以外にも、当面の売上は敢えて横に置いておいてでも大切なものを伝えなければならないことが、この世にはたくさんあると思う。
写真は、宇治駅にある茶の缶をかたどったポスト。