
6月最後の日曜日だった29日は、住んでいる京都府の隣にある奈良県に限りなく近い地域のスーパーで、レタスのデモ。
試食メニューはシンプル。レタスをゆがき、ソースとごま油で和えるだけ。
火の始末さえ出来れば小学校中学年の子どもでも作れるこのカンタン料理が、実は思いのほかイケる。
少なくとも、ご飯にとても合う。
ソースを濃いめにしたら、ほかほかご飯に乗せて「レタスどんぶり」にしてもよいのではないか。
お客さんの反応は上々。
何より
「レタスって生で食べるものとばかり思っていたのに、こうして火を通しても美味しく食べられるんやね」
の声が多かった。
そう!
今年の2月に実施したきゅうりのデモで、「きゅうりとウインナーのソテー」を試食に作った時にも感じたけれど、まだまだ多いのよね、「きゅうりやレタス、トマトは生で食べるもの」と思い込んでいる人は。
先入観というやつだ。
逆もある。
加熱しないと食べられないと、一般に信じ込まれている食品(今回は野菜)が、実際には生でも食べられるし、味も悪くないケース。
例えば、ピーマンがそうだ。
ピーマンは油と相性バツグンなので炒めて食べられることがほとんどだが、生のまま細く切ってごま油と中華だしで和え(好みでニンニクすりおろしを加える)、ごまを一振りすると、暑い盛りには酒のつまみにも最高な一品となる。
かつてこのメニューで試食した時には大評判となったものだ。
ゴーヤも生でオッケイ。スライスして塩揉みをしたあとで鰹節をかけるか、またはシーチキンと混ぜ合わせる。
ゴーヤだからこそのほろ苦さが、特に暑さに疲れた身体にやさしくアピールする。
あと、小松菜やズッキーニ、とうもろこしも生で食べられる。
意外だった?
生で野菜を食べる利点の1つは、加熱によるビタミンCの破壊を防げること。
反対に、加熱で野菜を食べる利点の1つは、量(かさ)が取れること(今回のレタスなど、生のままサラダにすると1個を消費するには何皿もお代わりしないといけないのに、ゆがいてあえ物にすれば普通のカレーライス皿半分ほどになってしまう。つまり、丸々1個を楽に取ることが出来るのだ。ダイエットをしている人には嬉しいではないか)。
どちらがよいか、判断が難しいのが本当のところ。
ただ、これだけは言える。
思い込みも含めた先入観は、その人の世界を、ひいては人生を、確実に狭めること。
これは、野菜に限ったことではない。
そもそも、生食が当たり前の野菜に火を通したり、反対に加熱が常識とされている野菜を何もせずそのままかじったりしたら、そこに別の美味しさがあった。
「食」は人間の根源的な欲望であり、人生の大いなる楽しみでもある事実を考えれば、こんな小さなことでも、じゅうぶんにワクワクすることだと思いませんか?
写真はピーマン(Wikipedia. Public Domain)。