8月の終わり、整体師の夫が京都府内にある某所に出張治療に行き、帰りに用事があってとあるスーパーに寄った。
いっときの流通業界における圧倒的なパワーは少し落ちたものの、まだまだ勢いがあり、全国的にもチェーン展開している有名な店である。
そこで夫は愕然としたそうな。
どうみても70代といった感じの人が、店のそこかしこで、たくさん働いていたからだ。
駐車場での車の誘導、売場でのカート整理、店内の巡回警備、モップとバケツをかついでフロアを行き来する清掃員、、、その他。
夫は
「老人が働くのは社会参加だの規則正しい生活を守るためだの何の言っているけれど、本音はカネやと思う。年齢から推してあと10年から20年ほどしか生きへんのにまだ働かなあかんとは! いつから日本はこんな貧しい国になったんや」。
確かに。
もっとも、私は、彼らだって大半の人はそれなりに預貯金はあると思うのだ。
でも、やがて動けなくなり頭も働かなくなる時が、生物である限りは誰しも来る。そうなった時、現在ではかつての時代のように子どもに頼る状況は望めなくなっており(子ども世代だって教育費だの住居費だの重税だの、暮らしていくのは大変なのだ)、そのことがわかっているからこそ親としてもなるべく子や孫に迷惑をかけたくない。ならば、カネはないよりあるに越したことはなく、働けるうちは働いて、、、となるのではないか。
で、息抜きとして、たまに温泉や小旅行に行ったりお金のかからない趣味を楽しんだり孫と遊んだりしてね。
こんな老人家庭。実は少なくないのでは?
まあ、これは、経済面を含んだ介護問題でもあるんだけれどね。