昨日の続き。
帰りのバス停留所でいっしょになった他社の同業者に
「懸命に努力したし、販売数も上々だったのに、勤務評定がBだった。納得がいかないし、なにより悔しい」
と愚痴ったら、その同業者は、間髪を入れず、私に質問した。
「評定したのは、女やね? せやろ?」
「え、ええ……」
彼女の問いかけの、畳み掛けんばかりのいきおいに、いささかとまどいながら、私は答えた。
「三十代の、いかにもデキルって感じのお姉さん」
「やっぱり!」
彼女は肩をすくめ、ため息をついた。
「そうやと、あんたの話を聞いている時から、思っていた。これやから、女はあかんねん」
ん? どういうことだろう?
彼女によると、例外もあるが、一般に女性の管理職には努力家の完全主義者が多いと言う。
「自分にも厳しいが、他人にも厳しい。やから、全体でとらえたら何ということのない、小さな失敗も見逃さない。マネキンの私たちに対しても、どんなに売り上げても、例えばトイレの時間がちょっと長かったとか、細かいミスでマイナス評価を下す。ま、真面目な証拠なんやけどね。でも、まわりにしたら、生真面目いっぺんというのも迷惑な話やで。いやしくも、人の上に立つんなら、マアマアやナアナアですまさなあかんこともあるはずや。せやんと、全体が流れていけへんやん」
同じような見解は、昨年の秋、デモンストレーション場所が隣り合った某食品会社の営業マンにも聞いた。
何かの拍子で、二人の間で、某チェーンストアの女性マネージャーが話題にのぼった。このA(仮名)というマネージャーは、私たちの間で「厳しい」「あら探しをする」「口調がいつも命令的」と、すこぶる評判のよくない人である。
営業マンは言っていた。
「ほんま頑張り屋さんで、仕事もシャッシャッとようする人なんですがな、融通がきかんと言うか。冗談も通じん。もっとも、ああいう人は、上から課せられた仕事は完璧にこなすし、絶対に不正なんかせんでしょうから、会社にとってはありがたいでしょう。部下や周囲はたまらなくてもね。しかし、部下や周囲に支持されないと、上にいきませんよ」
ふうむ……。
これは、けっこう根の深い話題ではある。
プラス、この手のタイプは、私が感じる限り、男性の中にもけっこういる気がする。
というわけで、この続きを後ほど書くとしよう。