おおげさということ

 昨日、瀬戸のホームにいる父親を訪ねるために乗った電車の中で、ガストン・
ルルー作「オペラ座の怪人」を読破してしまった。話題になっているミュージ
カルの原本である。
 片道四時間。往復八時間。
 ぶあついこの物語もじゅうぶん読める。
 
 それにしても、読みにくい小説だった。オペラ座の地下に住み着いた、音楽
の才に恵まれた怪人が、うぶな娘にレッスンをほどこして彼女を歌姫に育て上
げ、同時に女性としても愛しはじめるが、娘は目の前にあらわれた若く美しい
青年に恋をしてしまうと言う、ストーリーそのものからして大時代的ながら、
構成も文章スタイルも、えらく入り組んでおり、正直、最初の100ページを読
むまでは、何度も放り出そうかと思った。
 全体的に「大げさ」なのだ。
 まあ、この「大げさ」は、私たちの仕事にもあてはまる要素の一つなのだけ
れど。

 この「大げさ」についても、後ほど。

 行かなくてはならない。