青汁さまさま

 新型インフルエンザ騒動もおさまったようだ。
 マスク姿も減った。

 ま、これまで通り、おもしろおかしくいきましょ。
 
 と言いたいところが、そうもいかなくなった。

 笑わないでね。
 遠方の現場が立て続けに入った結果、遅くとも六時二十分には家を出なけれ
ばならず、朝食後にゆっくりトイレに座る間もなかったとあって、私は便秘に
なってしまったのだ。

 私の場合、おなかのサインは、毎朝かならずある。
 決まって、食後二時間前後たった頃。
 朝食は、現場の距離に関係なく、毎朝五時にとるから、サインは七時。
 遠くない現場なら、これでじゅうぶん間に合うが、遠距離の場合は、既に電
車に乗っているか、駅構内を歩いていることが多い。
 そんな時にサインがあっても、鍋や包丁、テーブルクロスなど、調理用具と
テーブルセッティング部品一式を入れたカートを引いているこちらは、仮に駅
や電車内にトイレがあったとて、
「ほい、それ」
 と行くわけにはいかないのだ。
 仕方なく、我慢する。時に痛みをこらえながら。
 そのうち、おなかは訴えるのをやめる。
 いわゆる便秘になる。

 便秘も、一日や二日なら、そんなに苦痛ではない(私は)。
 三日、四日と続くと、こたえる。
 おなかは張るし、下腹部にどよーんとした痛みと不快感が、常にある。
 こころなしか、頭は痛いし、気分もすぐれず。
 便秘四日目の昨日の帰宅時は、遠方(湖北の木之本)に赴いた疲れも重なり、
最悪のコンディションだった。

 「だったら、遠方の現場に行く時だけ、朝食の時間を早くしたらいいんじゃ
ないの?」
 とおっしゃる方がいるかも知れない。
 私も、そう考え、試した。
 駄目だった。朝の三時や四時台では、胃は食物を受け付けてくれない。
 食事時間は変えられない。

 腰痛や膝痛同様、便秘に悩むマネキンは、意外に多い。やはり、上記の理由
の他、冷えがきつい現場に長時間立ちっぱなしで仕事をすることによるものだ
ろう。
 当然、皆、便秘対策を立てている。
 ある人はヨーグルト、ある人は玄米がゆ、ある人はプルーン、ある人はセン
ナ茶、ある人はバナナ。おのおの「切り札」を持っている。
 私の「切り札」は、青汁である。

 本当によく効く。三日も四日もお通じがなくても、牛乳に青汁を混ぜ、シェ
イクしたものを飲むだけで、三十分後には便座に座っている。
 青汁は、私にとって、便秘薬代わりなのだ。
 
 オモテあればウラあり。
 青汁。おなかのお助けマンながら、おうおうにして、効き過ぎる。確かにた
まっていたものは出してくれるけれど、その後ヒイヒイうなるはめになること
があるんだわあ。
 今日も午前中はふらふらし、昼から少し横になって、ましになった。
 青汁は休日にしか飲めない事情が、ここにある。

 とは言え、あの苦痛を想うと、排出されるべきものを排出してくれ、身体の
毒素も外に追いやり、爽快さを取り戻してくれる青汁は、ありがたい。
 青汁さまさまである。