二日間のオフが過ぎようとしている。
「ああ、また時間を無駄にしてしまった。やるべきことはたくさんあったのに、
その半分も出来ていない」
と、ふがいなさに呆れてしまう。
その一方で
「ま、いいか」
と、怠け癖を許してしまう自分がいる。
中途半端なんだな。
人生における最終的な目標は設定しているが、そこへ向けての努力は全くし
ていない。
要するに、極めつけの「凡人」なのだ。
こんな私だが、実は自他ともに認めるメモ魔である。
A4サイズの、横に経線が引いてあるだけのパーソナルノート。
スケジュール帳であり、スクラップブックであり、家計簿であり、日記帳で
あり、何より仕事上の業務帳である。
仕事に関していえば、予定はもちろん、その日のデモンストレーション現場
に関する情報(電話番号や担当者名、交通手段など)、試食品のレシピ、それを
あらかじめ自宅で予行演習した時に感じたこと、担当メーカーのHPから抜き
出した商品の基礎知識、付随する知識、その商品を使って作ることの出来るメニュー、実際に現場に立ってみた時のお客様の反応、ご意見、反省点、ギャラ
の金額、銀行へのギャラ入金チェックもろもろを、詳細に書き込んでいる。
ついでに、その日の現場や担当者の特徴、現場で見つけたちょっと気になる
店、商品、イベント、その他も。
誰かに強制されてノートの記入を始めたのではない。
「あなた、もしかして、注意力散漫のあのAHなんとかというやつじゃない?」
と、かつての職場の先輩に皮肉られたほど物忘れがひどい人間なので、
「それならば、紙に書いておこう」
と、この仕事に就いた時から、意識的に始めたのだ。
これが大活躍。
メーカー作成のレシピが必ずしも完全でないことはマネキンなら誰しもが感
じているところで、同じ商品を繰り返して担当する時、ノートに書かれた反省
点も含めた記録が本当に役立つ。
また、同じ現場におもむく時も、あらためて交通手段やら担当者やら、調べ
なくてよいので、助かる。
元来は接客が苦手で(学生時代、まわりの人に「接客だけはやめなさい。あ
なたは気がきかないから絶対に向いていない」と言われていた)、料理も基礎
が出来ていない私がどうにかこの仕事を続けてこられたのは、このノートに
よるところが大きい。
ちなみにこのノート、読書や映画の感想、買い物の記録、一行日記、美容・
展覧会・料理など、興味ある分野のスクラップも兼ねている。
ノートを読みやすくするため、カラーペンを使いわけているけれど(例えば
仕事関連の記述はすべて青)、これもノートをつける楽しみの一つ。
開くと、きれいな色が飛び出してくるノートなんて、おしゃれでしょ。