ねえ、洗わせてよ

 昨日は、米どころ亀岡の平和堂にて、ミツカンのポン酢「香りの蔵」のデモ。
 メニューは、豚ロースの蒸ししゃぶ。

 デモを始める前、ちょっとしたイザコザがあった。
 何、大したことではなく、我々の世界ではちょくちょくある話なのだけれど。
 プラス、単なる連絡不足で、誰が悪いというわけでもないのだけれど。

 今回の蒸ししゃぶには、キャベツをはじめ、たまねぎ、しめじなど、野菜を六種類も使う。
 この野菜を洗い、切らせてもらう場所は、店舗によって違う。

 イオン系のように試食調理室をもうけているところもあれば、ライフや近商ストアみたいに
従業員休憩所を使わせてもらえるところもある。
 比較的に小さな店では、店長やデモ商品担当者が精肉や青果の加工室に話をし、使用させて
もらえるよう、もっていってくれる。
 だが、なかなかすんなりといかないこともあるのは、この世界に限ったことではない。

 昨日の場合、私は前日確認電話で、野菜を洗って切る場所として社員食堂の使用の許可を担
当者に頂いていた。
 それなのに、いざ当日に試食用の野菜持参で社員食堂に行くと、そこを仕切っているおばさ
んが
「私は何も聞いていませんけれどねえ」
 と、嫌な顔をし、使わせてくれない。

 そこを何度も頭を下げてお願いし、作業をさせてもらったが、珍しいことじゃないのよ、こ
ういうこと。
 切るどころか洗いもさせてもらえず、仕方なく便所の横の掃除モップがぶら下がった汚い場
所で下準備をした仲間もいる。
 私自身、大阪は西淀川区の某店(敢えて店名は明かさない)でヤマサのちゃんこ鍋のデモを実
施した時、そこの青果のお局が意地悪な人で、野菜を洗うのはもちろん、液体を流しに捨てる
のも許可してくれず、やむを得ず従業員休憩室の手洗いしかない水道を使用した。

 「んまーっ、そんなおばはんがいるんですか! なんて嫌らしい人なの!」
 と目くじらを立てるあなた。
 立場が変われば、まあ、愉快な気はしませんよ。
 人間というのは、何度も繰り返しているように、基本的に保守的な生物。どこの馬の骨とも
わからぬよそ者が自分たちのテリトリーに突然入ってきたら、本能的に拒絶反応を示すものな
のだ。作業の能率にも影響が出る。
 また、何かあったら、「よそ者」の侵入を許した責任も問われる。

 とは言え、その店の野菜やら何やらを買い、売上にも多少は貢献しているんだからね。
 ほんま、洗うくらい洗わせてよ。