そういう人生を歩んで来たのよ

 今日は、敢えて店名を明かさない。
 
 滋賀県の、開店して、そう年月は経っていない大型店舗にて、H社の冷凍ハンバーグのデモ。
 高価ではあっても、美味。
 冷凍とは思えない。
 だからこそ商品説明が不可欠。

 メーカーはどう考えているんだろうね。
 こういう商品は、味のわかる高年主婦がゆっくり買い物をしている平日の方がいいのよ。
 土日や祝日は、味など、極端な話、どうでもいいガキとオヤジが殺到して食いまくりさ。
 結果、財布の紐を握っている一家の大蔵大臣が現れる頃には、試食品はないのだ。
 とほほ。

 私だけかと思いきや、今日の店舗で試食販売をしていたおばちゃんたちも同じ。
 休憩時間に話したが、皆、怒っていた。

 私も怒っていたけれど、考えを変えた。
 親子五人でやってきて、お代わりまでして
「美味しかったなあ。得したなあ。わっはっはっはっー」
 と言う人は、そういう人生を歩んできているのだ。

 何かで読んだ。
「自転車をちゃりんこと呼ぶ人はそんな人生を送ってきているのです」

 怒らんとこ。
 怒らんとこ。

 食べることが目的のお客さんが大半の今日の現場だって、真剣に味をみてくれる人はいたのだ
からね。