僕は面白味のある人間です

映画「マーリー 世界一おバカな犬」の中に、主人公のジョンが、就職の面接を受ける際、面接官に
「僕は面白味のある人間です」
 と自分をアピールするシーンがある。
 結果、彼は採用されるのだけれど、あれを観て
「わー、アメリカだなあ」
 と感じたのは、私だけだろうか?

 日本なら、面接官に自分の長所を尋ねられところで、無難に
「責任感が強いことです」
「仲間とうまくやっていく協調性があります」
「明るく、気配りが出来る点です」
 となるだろう。
 間違っても
「面白味のある人間です」
 とは口にしないはず。

 しかも、ジョンは、そのセリフのあと
「遊んでばかりいたのに大学に入学出来、優秀な成績で卒業しました。在学中にはコレコレの文学賞
も受賞しました」
 と続ける。
 日本人の感覚では、これ、自慢話よ。だって、成績は成績証明書をみればわかることだし、文学賞
受賞も、履歴書には書いても自分の方から直接に話題にすることはないのでは? まるで、
「僕をとらないと、おたくの会社は損ですよ」
 と言っているみたいだよね。
 もし日本で同じ行為に及んだら
「こいつ、自己顕示欲の強いヤツだな」
 と、とらえられかねない。
 

 でもね、国旗同様、万事ハデハデ、オセオセで
「目立つことはいいことだ」
 とするアメリカほどではないにしても、日本人も、こんなご時世だもの、すこーしは自分を宣伝し
た方が、これからの時代はいいのかも知れない。

 それには、自分の「売り」を把握しておくことが必要。
 そう。
 自分を「商品」として客観的にながめ、アピール点を確立しておく。

 この基盤となるのが、自分に対する自信だよね。