還暦を迎えたペコちゃん

土曜日と日曜日は、大阪は泉南貝塚のコープで仕事。担当商品は、コープのプライベートブランド
のチョコレート。生タイプなので、口に含むやすっと溶け、まったりとした高級感があるのが、特徴。

 すぐ隣で不二家のカントリーマアムがデモ。
 同社のオリジナルキャラクター、ペコちゃん(着ぐるみ)もやってきた。

 このペコちゃん。驚くなかれ、今年で実際は六十歳。還暦を迎えたわけだ。
「ひところなら、祝いの赤いちゃんちゃんこを着る年齢なのね」
 と、ぺこちゃんとプクンとふくらんだほっぺたを眺めながら、奇妙な感慨にとらわれた。
 だって、私が小学校一年生か二年生くらいからいたもの、ペコちゃんって。

 皆さんの中で、不二家の一口キャンディを覚えておられる方がいる? 片手で持ってペロペロとなめ
る、あのキャンディ。かつては、十円か二十円かで買えたやつだ。
 あのキャンディの袋にも、ペコちゃんの愛嬌ある顔がプリントされていた。

 歳はとってもペコちゃんはアイドル。
 孫ほどの子どもたちが群がり、握手を求め、写真をいっしょにとせがんでいた。

 いつの時代にも、子どもたちに受け入れられるルックスには、共通点がある。
 横長の輪郭、大きな目、上を向いたこぶりな鼻、短い手足。
 この純然たる事実の前には、年齢は関係ない。