デモレシピはシンプルが一番

さあ、これからお掃除といこう!

 BGMはジャズピアノ。
 適度にノリがよいからね。
 ロックだとあまりにノリノリで、肝心のお掃除にならない。

 二十八日が仕事納めだったが、事実上の仕事納めは、ミツカンの新商品「プロが使ううどんだし」を
担当した、マツモト新園部店でのデモ。
 ミツカンという会社は、デモメニューに凝ることで有名で、今回も
「具材にはカマボコと鶏肉とホウレンソウを使いなさい」
 と指示がきた。

 私は不思議でたまらない。
 だしの味をみてもらうのに、どうしてこんなにごちゃごちゃと加えるのかしら?
 シンプルに、ネギとカマボコだけにした方が、お客様にはストレートにわかるのに。
 事実、言われた。
「鶏肉から旨味が出るから、本来のだしがどんなんか、わからへんやんか」

 正論。
 しかも、鶏肉に火を通したり、ホウレンソウをゆがいて切ったり、下準備にも時間がかかる。
 そのぶん、試食を提供する数が減る。
 経費の面からも、ネギとカマボコの方が安上がりなはず。

 とは言え、五月の「枯れ節つゆ」(やはりミツカン社の高級液体だし)のデモの時も
「具材につくねとシシトウを入れなさい」
 ときたからなあ。

 一体、誰がデモレシピを考えるのだろう?
 凝ったものがいいとは限らないんだよ。