現場は、平和堂ビバシティ。
いつの頃からか。この店も一般のクレジットカードが使えるようになった。
ありがたいことだ。
カードが使えないと、立替金が高額になる場合、私たちは仕事が出来ない。
総量規制なる困った法律が出来たおかげで、困惑している仕事仲間は多い。
急なキャッシングが必要になることが多いのだ、私たちの仕事は。
一つだけ例をあげよう。
大阪南部にある某大手スーパーにステーキのデモで行った時の話だ。
販売商品はステーキソースで、メーカーからの指示は
「オージーヒーフの安いのを使いなさい」
だった。
なのに、当日、畜産部から責任者が出てきて
「国産のサーロインを使え。なるべく大きく切って」。
二日で五万円で十分だろうと用意していった私だったが、食べて食べて食べまくられたこともあり、とても足りなかった。
他メーカーのギャラの支払い前で銀行に残高が不足していた場合、不足分は、クレジットカードが
使えない店であれば、現金キャッシングとなる。
このキャッシングが、どうやら今年は全く出来なくなる公算が大きいのだ。
審査用紙を出し忘れた某社だけがキャッシング額をこれまで通りしてくれたおかげで、昨年は不意
の事態にも対応出来たのだけれど。
「それは運転資金を用意しておかないあんたが悪い」
然り。
でも、三十万円なり五十万円なりの余剰金がある人は、マネキンにならないよ。
現に、
「今月は肉が多かったから立替金は一ヶ月で二十七万円」
とぼやいていた同業のおばちゃんも
「ギャラが入ると次の仕事の資金にまわってしまう」
となげいている。
まあ、上のステーキの立替金も実施日が五日ずれていたら、他メーカーからのギャラと立替金精算
で何とかなった。
こういうケースが多いのだ、私たちの仕事は。
キャッシング機能付きクレジットカードは必需品なのである。
ぼやいていても仕方ないしな。
使用不可になることを想定し、貯金するしかない。
当分は個人的な買い物はやめよう。