自分の身は自分で守る

ここまで書いてきて、左足の痛みがひどくなった。
 ズキン、ズキン。
 何年か前、左足の膝が腫れ上がり、和式トイレに座れなくなったことを思い出した。

 あれは、十日連続勤務の最終日、現場のアヤハディオ水口店をお客様を案内して歩いている時に、
おこった。
「びしっ」
 左膝の骨が悲鳴をあげ、痛みが脳天まで突き抜け、強烈さで目から火花が出た。
 やがて襲う、しびれるような感触。
 十日連続勤務は、その頃は普通のシフトだったから、無茶苦茶に足を使っていたのだと思う。

 靴も悪かった。
 二年以上も履き続けたぼろぼろのローヒール。
 でも、買い替える金が当時はなく(ちふれのファンデーションを買うのにも苦労していたから)、
仕方なくかかとがすりへった靴で我慢していた。
 結果、歩くのにも難儀するようになり、とうとう平和堂和爾店で、1300円のローヒールを買い
求めた。

 振り返るに、私たちの仕事は立ち仕事。靴こそ借金をしてでもよい品を求めねばならない。あと
でしっかりとツケがくる。

 もっとも、私たちの仲間には、膝や足、腰が悪い人が多いのね。
 冷気の強い場所で長時間立ったまま仕事をすして、血流が悪くなっているのだろう。
 ストレスもある。

 膝や足、腰に支障が出ても、メーカーも派遣会社も何もしてくれない。
 六年前、頭がおかしいお客さんにポットの熱湯をかけられた時には、さすがに
「病院に行って下さい」
 と、派遣会社は言ってくれたけれど。

 自分の身は自分で守らないと。