禁酒してみれば

酒は寝る前の一杯だけ。
 仕事をした日はこれプラス食前酒の一杯(冷気のきついところで立ちっ放しで働くのだ。帰宅してから
の一杯のお湯割りは欠かせない)だけと決めてから、読書量が大幅に増えている。
 もともと本を読むスピードは遅くないのだけれど、ネオ禁酒したこの二日間は拍車がかかり、400
ページ程度の文庫なら軽々と読破出来ている。

 振り返れば、酒を飲まない学生時代もこんな感じだったな。
 ゆえに、月に三十冊以上の本が読めたのだ。
 しかも、言葉の一つ一つが、視界の中で立ち、天然光のように脳に入ってきた。
 いかにアルコールが思考力を麻痺させていたか、あらためて知った次第だ。

 ドラッグ同様アルコールの過飲にも苦しめられたロックギタリストのエリック・クラプトン
「オレは酒が入っている方がリラックスして指が動くんだ」
 と言ったとか言わないとか。
 そうお?
 まあ、リラックス効果でメロディは走るのかも知れないね。

 それでも、彼が様々な中毒の最中にいた頃のレコードを聞くと、ひどいもんである。
 自分で何をしているか、もはやわかっていないんじゃないかな。

 ネオ禁酒は創作活動や貯蓄の他、インスピレーション強化の効果も期待出来る気がしている。
 もっとわかりやすく言えば直感力の向上。

 この調子でいけば、原稿は完成出来る。
 頑張ろう!

 ついでに。
 こちらは本当に頑張ろうである。二十年ほど前、アルコールで死にかけても酒がやめられなかっ
たほどなのだから。喉元過ぎれば何とかというやつである。
 あの時にお世話になった阪和病院はまだあるのかしら?