男だってスイーツが食べたいんだっ!!!

 ジャスコ五条店でのチョコフォンデュ(マリンフード社)のデモレポート第三弾。

 ここのチョコフォンデュは、添付されている容器に生チョコレートをうつしかえ、ふわりとラップをかけてレンジで30秒から40秒温めればよいだけの、超クイック品である。
 チョコレートを溶かしたり、こがさないようにかきまぜたりする手間がいらないから、極端な話、小学校低学年生でも扱える。
 そのせいか。
 お買い上げ下さったお客様はだんぜん家族連れが多かったが、男性一人のお客様もちらほらいた。
 大半は、買物カゴに菓子パンやロールケーキ、プリン、クッキーなどをぎっしりと入れている方々。年齢は様々だが、体型はおおむね「ややふっくらさん」タイプ。

 この話を友人にすると
「うちの旦那もそれに入るのかな」
 と。
「毎晩、仕事の帰りにコンビニに寄ってポッキーやらキノコの山やらを買ってきて、ご飯の後、テレビを観ながらつまんでいるもん。食後のコーヒーといっしょにお菓子を食べるのが、最高の楽しみやねん。あ、コーヒーは砂糖とクリープ入りやよ、もちろん」。
 お酒が一滴も飲めないこのご主人にとっては、きっと、あまいあまーいコーヒーとお菓子が、晩酌代わりなのだろう。
 こんな男性、実は多いのでは?

 マネキンになってまもなく九年目に突入する私。お菓子も含めた「甘い食べ物」もずいぶんと担当させていただいた。
 仕事をしている過程で気づいたことの一つに、「男は甘味が苦手」とする世間一般の見方は当てにならないということがある。
 
 もっと切ってしまおう。
 
 男だって、否、男だから、甘味を求めるのだ。スイーツを食べたいのだ!

 私にも経験があるけれど、強いストレスにさらされると人間は往々にして甘いものが欲しくなる。それも半端な量ではない。食後、デザートについていたアイスクリームでは足りず、あらた
にケーキセットを注文するくらい、脳と身体が強烈に「糖分を! もっと糖分を!」と要求するのだ。
 飲んべえなら、ここでアルコールとなるのだろうが(アルコールには糖分が含まれている)、そうでない人はスイーツにいきつくのではないか。
 男女共生社会とはうたわれていても、まだまだ責任のある、したがって緊張度も高い仕事は男性が請け負っているケースが多いのが現状。ストレスも多く浴びているはずだ。

 てっとり早くストレスを解消する方法は「子ども返り」。馴染みの店でホステスに「社長」と持ち上げられ、鼻にかかった声でねだられてつい高級酒のオーダーを重ねてしまうオジサンの姿は、この心理をうまくつかれたもの。だって、幼児の頃はお母さんに怒られながらも「ボクは良い子よ。ママの宝よ」と受け入れられ、幼心に「ママを悲しませちゃいけないんだ」と誓ってきたでしょ。
 あれの別バージョンが、ネオン街で夜な夜な展開されているのだ。
 部屋で一人スイーツをポリポリかじるのも、それと同じ。
 無意識のうちに「子ども返り」をすることで、心のバランスを保っている。

 「夜、男が一人でグラスをかたむけるのはサマになってもスイーツをつまむのはちょっとね」とおっしゃるあなた。
 見方を変えてごらん。
 邪気がなくていいもんである。

 ただ、健康にはご注意。
 寝る前に多量の糖分をとると、やはり身体の線は崩れてくるからねえ。