フジコ 永眠

昨日、雌犬のフジコが永眠した。
 推定年齢18歳。
 リス顔の別嬪犬だった。
 何せ、あの峰不二子から名前をとったのだから。

 泣き過ぎて、涙の塩分で、肌がガサガサ。ヒリヒリしている。

 昨年に逝った雄犬のアキは野育ちで、それだから同じ野育ちの雄猫のエルとは仲良しだった。
 フジコは、少なくとも我家に迷いこんでくるまでは、野育ちではない。姿形も立ち居振る舞い
も雰囲気も、お嬢様然としていたところから、セレブなマダムのペットだったのだろう。
 だから、エルとアキの中にいると、明らかに浮いていた。

 それでも同じ船にいたエルとアキとフジコ。
 同じ世界で再会し、異色は異色なりに、また三匹で仲良く昼寝をし、身体をなめあっている
ことだろう。