趣味に生きる人生

 仕事仲間の一人に、趣味に打ち込むがゆえに敢えて子どもを作らなかった人がいる。
 結婚する時、ご主人にはっきり言ったそうな。
「私、子ども、いらんよ。趣味を続けていきたいから」

 この趣味がどういう趣味かは伏せる。
 ただ、私が想像するに、趣味から生み出されるもの、それは、彼女にとってまさに「我が子」なのだ。
 
 そこまで精進するからにはプロを目指したらいいと思うし、実際に素晴しい腕前なのだけれ
ど、当人は
「趣味は趣味」
 と言い切る。

 ぜいたくな人生だね。
 彼女をうらやましいと感じている人は、周囲に少なくないはずだ。

 もっとも、彼女は趣味に費やすお金は自分で稼いでいる。ここは偉い。
 世の中には、旦那がリストラの危機に怯え、職場内の力関係を汲々と調整しながら稼いでき
た金を、韓流スターの追っかけなんかに使っている主婦がいるからねえ。
 追っかけるのは個人の勝手。だからこそ、その費用は自分で出すべきではないだろうか?

 くだんの仕事仲間の話題に戻る。
 彼女は生活のためではなく趣味のために働いているのだが、販売実績はぴか一である。
 働く目標がはっきりしているからだろう。

 大切なのは、目標。
 
 何のために働くのか?
 収入は具体的にどれだけ欲しいのか?

 仕事が自己実現でなく夢の実現に向ける手段であっても、これを持っているのといないのとでは、全く張り合いが違う。