チェックという仕事

 先月の二十九日、祝日である「みどりの日」に、ヨコオフーズの三瀬鶏のデモでコープ押熊
店を訪れ、本社から巡回にきていた「えらいさん」に会ったことは、述べた。

「えらいさん」は何が目的で店に足を運んでいたのか?
 ズバリ、店舗運営の基本チェックのためだ。

 品揃えは出来ているか?
 見た目にも美しく配置されているか?
 賞味期限や消費期限は守られているか?
 値札のつけ忘れや間違いはないか?

 接客はきちんと出来ているか?
 従業員同士で挨拶はしているか?
 バックヤードの整理整頓は出来ているか?
 社員食堂や休憩室の掃除は行き届いているか?

 簡単なようで、守り続けることが難しいのが、これらのベーシックルール。
 だから、嫌われてもチェック業務をする人間は必要なのだ。

 とは言え、ある意味、人のミス、どぎつい表現が許されるなら「あら探し」をする仕事だか
ら、プライベート上の立ち居振る舞いや第三者への意識も、どうしても影響されてしまうんだ
なあ(溜息)。
 コープ押熊店に来ていた「えらいさん」は、当日はチェック業務をしていても普段は別の業
務を担当しているからそうではなかったが、普段からチェック業務を専門におこなっている人は、ズバリ「意地悪」で「猜疑心が強い」タイプが多
い。
 いや、ご本人は気づいていないんだろうけれど。
 重箱の隅をつつかんばかりに子細な事柄をチェックし、いたらない箇所を指摘するのも、む
しろ親切なことと解釈し、過剰に細かくなっていって、現場の人間に煙たがられる存在となっ
たチエッカーを何人もみてきた。

 仕事で嫌がられるのは、まあ、仕方がないとして、プライベートまでそれだったらねえ!

 「人間は弱いもの。油断すれば、どうしても楽な方に流れていく
もの。だから、お互いに気をつけあいましょう。チェックする私も
チェックされるあなたも」
 これくらいの寛容さを持っていてよい気がする。