ドラゴンフルーツ

 五月二十四日は、桂の高島屋内にあるカナート洛西店で、ブルーベリーのシロップ漬け(輸入元デルタインターナショナル)のデモ。
 同店で催されていた「トロピカルフルーツ祭り」の一環としての仕事だった。

 ここまで読んで
「あれ?」
 と思われた方は多いに違いない。
 そう。ブルーベリーはトロピカルフルーツではない。
 にもかかわらず、どうしてこの催事に組み入れられたのだろう?
 ビジュアル的にも、キウイーやパイナップル、マンゴー、バナナなど、カラフルな暖色系フルーツに囲まれて明らかに「浮いていた」。

 催事場にドラゴンフルーツという、紅色のフルーツが並べられていた(下の写真)。

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 ごらんのとおり、色も形もどことなく憎々しげで、まさに「ドラゴン」の名にふさわしい外
観。添えられたPOPに寄ると、原産地はベトナム。味は、淡白ながら酸味と甘味のバランスがとれ、非常にまろやかだと言う。
 もっとも、お客さんの一人によると
「過大表現もいいところ」。

「昨年、沖縄に住む親戚に送ってもらったけれど、味があるようなないような。水っぽくて、食べられたもんじゃない」。

 その言葉を聞き、ひとつ確かめてみようと、一つだけ買った。

 縦四つに割ると、中央の芯の部分にのみゴマを振っているみたいな、白い果肉があらわれる。たいへん柔らかく、ジューシー。それでも、まあ……喉がとくべつ乾いているとか身体が熱っぽいとか、そういう時でないと美味とは感じない味ですな
あ、これは。
 少なくとも「ドラゴン」のコトバが醸し出すアクの強さは全くない。
 
 ベトナムや沖縄の人はドラゴンフルーツをどのように食べているのだろう?
 あちらの陽射しと湿度は日本よりずっと強烈だろうから、そのような場所で食べると美味しいのかも知れない。