
行きも帰りも徒歩。
さらに三条まで歩いて、鴨川をあがる。
ほどなく出町柳。
帰りは、この逆を辿る。
片道、現在のところ二時間半。
慣れれば、二時間くらいに短縮出来るかも知れない。
道を間違え、結果的に大文字山に登ってしまった。
長く、辛い、登り道。
腰と膝に痛みを抱えている私にとっては、そうだった。
行けども行けども、前に見えるのは、
長く、辛い、登り道。
汗まみれで、痛む右腰をなだめなだめ、
息を切らしている私と対峙するのは、
樹と土と石と葉と空気。
誰も助けてくれない。
自分を信じ、前に進むしかない。
へとへとになり、登り切った私の前に、突如ひらけたパノラマ。
ああっ!
京の都が一望出来た。
それを知った時の充実感、達成感を、どう現わしたらよかろう。
この瞬間、山にはまった。
肉体を酷使した時、人々はしばしばハイの状態に陥る。