
先週に、かの九州産鶏のデモで入った某店。
まあ、売れなかったねえ。
何をどうやってもダメだった。
味は相変わらず好評なのだけれど、一人のお客様の言葉がひっか
かった。
「おねえさん、お宅の鶏、しょっちゅうこういう試食販売をして
今日は安いからおすすめですよなんて宣伝しているけれどね、正
直、鶏肉ばかりいらんのよ。安い時にまとめ買いしたのが、まだ
冷凍庫にあるやん」
同様のセリフは他店でもしばしば聞いた。
そうだよなあ。
私が消費者でもそう思う。
幸い、この時の店舗は売上にやかましくないところだったので責
められることはなかったけれど。
むしろ「暑い中、ほんまに頑張ってくれたね」と、ねぎらってく
れた。
あの数を衣笠にある某店で残していたら、最悪だった。
ここは担当者ではなく店長がウルサイ。
最初に行った時、140パックも入れていて午後6時の段階で20
パック残したら「完売せえへんかった」とチクチク。
二度目に行ったら、入荷120パックに減らしてくれていたが、そ
れでも10パック残った。
すると、こちらのデモのやり方にまで突っ込んでくる。
ムカッ。
おっさん、お前、一度売ってみい。
すぐ隣に同じグラム数あたり90円も安い鶏肉が並ぶ環境で、お前、自ら足を棒にし、声を嗄らして、売ってみい。
そう売れるもんではないことが、身に染みてわかるはず。
それに、ほんま、お客様のおっしゃる通り。
鶏肉ばかりいらんのじゃ、人間は。
牛肉も豚肉も魚も、いろんなものを食べたいんじゃ。
マネキンが来たから完売なんて、もし信じていたら、ほんま目出
たいよ、おっさん。
とは言え、おっさんだって、書類上の数字でしか物事を判断しな
い本社のエラいさんたちにつつかれているかも知れんなあ。
そういうのが推測出来るから辛いのだ。
とは言え、追求すると胃に穴があくから辞めとこ。
勝手に言わせておこ。
写真は、帰路の京阪くずは駅で写した夕暮れ。
売れなかった我が心のブルーを象徴するかのような情景だった。