雪は降る。電車は来ない。

さる1月15日。
その日の現場へ向かうため、大雪の中、カートを引いて最寄駅まで歩いたことが良くなかったのか、数日間は身体のそこかしこに筋肉痛があった。
ホンマ、出かける予定がない日なら雪景色もそれなりに風情があるのだろうが、予定がある日は大変以外なにものでもないわ。

雪で思い出すのは、2005年1月17日に、片道4時間半かけて兵庫県の城崎まで乳製品のデモに行ったこと。
かの保津峡を超えると、辺りいちめん完璧に雪国モード。山陰線福知山を経由して城崎郡江原駅に着いたら、今度はモードどころじゃない。雪は私の腰近くまで積もっていたのだ。
その雪をかき分けかき分け歩き、やっと目指す店に。
仕事が終わった後も同じような感じで、先の福知山まで帰ったら、あらら、積雪のため京都行きの電車は一時運行を取りやめていると、アナウンスされているじゃないの!

当時の福知山駅構内には、立ち食いうどん屋も喫茶店もなく、仕方なく紙コップ形式の自動販売機で買ったホットコーヒーやホットティーを飲み続けて暖を取った。
心の中で、アダモの代表作「雪は降る」を勝手に替え歌して、
「雪は降る。電車は来ない」
と歌いながら。

幸い運転再開され、無事に自宅に帰ることが出来たが、京都駅に着いた時には日付が変わっていたね。
地下鉄の終電に乗り込んだ時には、ホッとしたあまり、へたり込むように椅子に座ったものだ。

それでも、過ぎてしまえば何とやら。
12年後の今日では、これはこれで、映画のワンシーンにも似た、なかなかスリリングな体験だったと感じる。