「息」を「音」から「声」に~カラダを使った実験

出血した翌々日、奈良県は郡山にある某スーパーに出かけた。
担当商品はふりかけ。
喉は、出血こそ止まっていたが、ヒヤヒヤもの。

生きている以上、息は吸えるし吐くことも出来るのだけれど、その息をコントロールする声帯がやられているのだから、話にならない。
息は「息」でしかなく、「音」にもならない。
まして、「声」になんぞ、、、。
でも!
出さないといけないのだ、声を。
販売する者にとって、「声出し」は、原則、必須条件である。

幸い、声帯のすべての部分が機能しないわけではない。
何とか動いてくれている部分もある。
そこの部分に働いてもらい、「息」を「音」に、さらに「声」にと、変えていくのだ。
この作業には、自分の息の吸い方、吐き方、顎の位置、舌の動かし方などを一つ一つチェックし、工夫する必要がある。
ある意味、カラダを使っての実験であり、実習。

ここで思い出した。
声楽家米良美一が、あるバラエティ番組で(YouTubeにアップされていた)披露した、喉の体操(?)や、顎の位置によって出される声の違い。
なあるほど。
あれを覚えておくと、喉の調子がイマイチの時にも役立つぞ。

こんなわけで、その日は何とか乗り切った。
店舗側から「声が十分に出ていない」とのクレームもなく、お客さんからは、逆に「この前に亡くなった歌手のりりィみたいな、味のある声やなあ」と、お褒めの言葉すら頂いたものだ。

それにしても、私も少しは賢くなったのかしら。
前回と前々回の喉出血ではパニックになったし、今回もそうだったが、その度合いは明らかに違っていた。
良いも悪いも含め、人生で体験することに無駄はない証拠のあらわれだろう。

写真は、この日の仕事を無事に終えた帰りのバス停て写したもの。

イメージ 1