上品系のスーパーのデモはまず説明ありき

先の記事で、「上品系のスーパーは試食があまり出ない」と書いた。それを読んだあなたは、きっとこんな疑問を抱くことだろう。
「それじゃショーバイにならないんじゃない? 試食、すなわち味をみて下さらないんだったら、売上に結びつかないでしょう? 販売数はボロボロじゃなくて?」
いえいえ。それが、そうでもないんですよ。
「ん? どういうこと?」
はい。実はこういうことなんです。
「上品系のスーパーのデモはまず説明ありき」。

スーパーやドラッグストア、ホームセンターなどで何らかのデモが実施されているのをみたら、あなたは次のことに気付くはず。
デモンストレーターはお客様に試食を提供した後で商品の説明をしている」と。
具体的にはこうだ。
例えば〇〇社から新しい麺つゆが発売されたとする。
デモンストレーターはそれを使ってうどんなり素麺なりを作り、お客様に試食をすすめる。
お客様は食べ、感想を口にする。
「そうですか」とデモンストレーターは受け、「実はこの商品は、、、」と、その内容や特徴を話し始める。
上品系のスーパーでは、この順番を無視するのだ。
試食品を作る過程までは同じだが、そのあとは商品の「試食」ではなく「説明」から入る。
そこで関心を示してもらったら、「論より証拠」とばかりに試食してもらう。
「試食→説明」の定番パターンの逆をいくんだね。

中には、説明を聞いただけで、「何だか良さそうね。試してみるわ」と購入して下さるお客様もいる。
また、いくら上品系のスーパーでも子どもさんはけっこう試食され、その子どもさんにねだられて、「仕方ないわねえ」と、(財布を握っているご本人は試食せず)買っていく方も多い。

上品系、庶民系、ヤングファミリー系、ローカル系、ヤンキー系。
それぞれの系の店に、それぞれのデモンストレーションの形がある。

写真は土曜日に訪れた上品系のスーパーで購入した桃やリンゴを使って作ったジュース。
上品系のスーパーは生鮮、特に果実類が充実しているのが特徴の一つで、値段は高いものの相応の価値はある。
だから私は上品系のスーパーで仕事をした時は、必ずそこで特売されている果実を買って帰ることにしているのだ。

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