定番の逆も真実

人間の味覚は基本的に保守的。保守的ゆえに、例えば食パンならレーズンなどの具材が入っていない普通の食パン、コロッケなら昔からあるベーシックなポテトコロッケと、その食材での「定番」が長い人気を誇るのだ、と昨日の投稿に書いた。
真実!
真実だが、その逆もまた、「真実」なのだ。
人間とは面白いものである。

これを知ったのは、15年ほど前、トマト麺の宣伝販売を担当した時のこと。
この頃はトマト麺はまだまだ知られていなく、えげつない言い方をすればゲテモノ扱い。
トマト麺のつゆの色を見ただけで、
「わっ」と言われ、気持ち悪がられ、当然(?)、試食は出ない。

そんな中でも、出来上がったばかりの「トマト麺」の試食品を前に、最初は「わっ」と実際に口にしないまでも「わっ」の表情を浮かべ、ついで「抵抗あるけれど、オモロイやん。ちょっとつまんでみようか」との反応を示し、その反応に従った人がいた。
私の換算では、お客様数の二十人に一人くらい。
「あらっ。美味しいよ、これ。たまには、こういうのもエエね」。

二十人に一人の、この人たちが、クチコミで、その後のトマト麺を引っ張っていってくれた。
今日のトマト麺の店舗での定着ぶりをごらんあれ。