商品そのものの味がよくわかる試食メニュー~「食」の世界は奥深い

今日は大阪府内の某スーパーで、オイスターソースのデモ。メニューはおでん。おでんのだし汁に、隠し味としてオイスターソースをほんの少し加え、味をみていただいた。

正直、こういうメニューのデモは難しいのよねえ、、、。
隠し味だから使用量はほんのわずか。おでんだしだけの汁とおでんだしにオイスターソースを加えた汁と、味の面で劇的に違ってくるわけではない。
試食されたお客様の感想も、
「ふうん。言われたら、確かに甘いだけの汁にコクが出て、味がはっきりするわなあ」。
この程度。
売上にはとうてい結びつかない、わずかな変化なのだ。

私の体験によれば、オイスターソースが一番売れるメニューは、焼きそばである。
それも、肉ともやしとニラだけを加えた、シンプルタイプ。オイスターソースそのものの味がよくわかるからだ。
ちょうど、だしつゆが一番売れるメニューが、だしつゆそのものの味がよくわかる、具材はネギオンリーの麺類であるように。

食品に限らず、人間は「わかりやすい」ものが好きなイキモノ。これは、ある意味では生存本能だから、仕方がない。
その本能に逆らうメニューを提案して販売数を求められても、これまた仕方がない。

ただ、一人だけ、こんな方がいた。
「私は関東から来た人間だからか、関西のおでんのだしには未だ馴染めないの。薄いし、甘いし。でも、こうしてオイスターソースを足すと、濃くなって、甘さも落ち着いて、いいねえ。私なら、もっと(オイスターソースを)入れた方が美味しく感じるわ」。

同じおでんのだしでも、ところ変われば味も変わり、人が「美味しい」と感じる基準も変わる。
「食」の世界は、奥深いものである。

写真は今日の現場近くにあったハンバーガー屋さん(実際は大衆食堂。ハンバーガーばかりでなく、焼きそばや定食もある。いずれもリーズナブルな価格)。
どこか下町っぽい、レトロな看板が目を引く。

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