デモンストレーターのお一人様力

よく聞かれる。
「あなた方デモンストレーターは、お一人様力は高いでしょう?」
と。
ううむ。一概にには答えられないけれど、低くはないでしょうね。

仕事の流れからして、一人行動が出来る人でないと、まず勤まらない。
一人で派遣会社に仕事を打診して受け、一人でエージェンシー(派遣会社とメーカーの間に位置する。流通業界に例えるなら問屋のような存在)から送られてきた資料を確認しつつ準備をし、一人で現場へ出かけ、一人で売場をセッティングし、一人で業務をまっとうして、一人でレポートを仕上げる。
基本的には、「一人でする仕事」なのだ、デモンストレーターは。
トイレに行くのも一緒でないと不安などと言うタイプは、絶対に向いていない。

お一人様力が低くないデモンストレーターの中でも、私がとりわけ「お一人様力抜群」と認めるAさんは、
「大学の4年間を女子ばかりの環境で学んだことがその力を伸ばすもととなった」
と、ある時、語った。
「化学が得意やったから、大学は理工系の化学部門を志願したんやけど、苦手な英語に足を引っ張られ、滑り止めに受けた女子大の栄養科にしか受からへんかった。でも、これがかえって良かったんやね。男の子に頼らない意識と行動力がついたから」。
詳しく尋ねると、例えば学園祭の時も、企画から各界への交渉、連絡、会計管理はもちろん、舞台設置や電気工事まで、すべて自分たち、すなわち女の子でおこなったとか。
「その気になれば、案外と出来るもんよ、女子だけでもね」
なるほど、、、。
それに、実際、私の周りにもいるものねえ、、、一人暮らしをしているうち、ちょっとした故障ならミシンや時計、自転車などを修理出来るようになったと言う女性が。
あと、パソコンや携帯にとても詳しくなった女性も。
これらも、くだんの同業者が語るところの「その気」なのだろうね(うまく動かなくなったからって、いちいち専門業者に任していられない時もあるから)。

ちなみにこの同業者。韓国語教師の資格も持っている(英語はさっぱりでも韓国語はそうではなかった。語学にも相性があるみたいだ)。
もちろん、携帯の音声翻訳アプリなどに頼ることなく、自らの肉声を使って韓国国内をくまなく一人で旅することが出来るし、異国でのハプニングにも冷静に対応出来る。要は自分の言動に責任が持てるのだ。これぞ、究極のお一人様力ね。

次は、男性のお一人様力アップについて考えてみたい。