親戚女性のパート体験談

遠い親戚筋にあたる女性の話である。

絵に描いたような「小市民的」幸福で溢れる毎日。とは言え、子どもたちが成長するにつれ、塾代とか習い事の費用とかスポーツの遠征代とか、何かとお金がかかることも多くなってきた。
プラスして、ご主人の残業代が減少。
「月に三万円。せめて二万円、今より余分にお金があれば、もう少しゆとりのある暮らしが出来るのになあ、、、」。
考えた彼女は、思い切ってパートに出ることに。勤務先は、自転車をゆっくり漕いで20分くらいかかるところにある某スーパーの生鮮部門で、「週に三日。午前8時から12時まで」というのが、条件である。

パートとは言え、十数年ぶりに再び働き始めた彼女を戸惑わせたのは、まず仕事場の寒さ。
「大袈裟ではなく、びっくりした。スーパーってこんなにひんやりしているんだって」。
まるで大きな冷蔵庫の中にいるような感じ。立ったまま作業をしていると、さらに冷えが、特に下半身を襲う。とても辛い。

次なる戸惑い。とにかく仕事に追われること。次から次へと、やることはべらぼうにある。
「一つ一つは別に難しい仕事ではないんだけれど、仕事である異常、手抜きは許されない。だから、矢継ぎ早に指示されるのは、どうも、、、」。

最後の戸惑い。予想外に時間外勤務が多いこと。
「12時までの契約なのに、今日は忙しいの人手が足りないの、いろいろ理由をつけられて1時間や2時間の時間外勤務を頻繁に頼まれる。そりゃそのぶん手当はつくけれど、こちらにも家事の都合とか扶養家族の範囲内でとか事情があるよね、、、」。

けっきょく彼女は半年でパートを辞めた。
理由は、くだんにあげた数々の他、ご主人の両親、すなわち義父母側の干渉があった。
これが、また、私などのような人間には驚き以外に何ものもない内容。

次回をお楽しみに。