商品がお客様の手に届く。そのカラクリはどんな業界も同じ。

ファッション誌の編集に憧れて某出版社に入社するも、配属はまさかの(?)営業。落ち込む沙知だったが、先輩の指導を受けて地道な書店まわりや書店本部との商談をこなすうち、一冊の本が読者の手に届くまでには多くの人々がかかわっていることを知り、営業の楽しさを少しずつ知っていく。
そんな沙知に、某作家の新作売り込みを担当する話が舞い込み、、、という、職業小説にして、沙知本人の心の成長をもえがいた青春小説。
多分に暴露的な内容も含むが、嫌味になっていないのは、ストーリー構成と登場人物のキャラクター設定がうまく出来ているからだろうね。

このような本を読むと、書籍に限らず、食品でも薬品でも、商品が消費者のもとに届く過程は同じなんだなあと痛感させられる。
そして、明らかに「不要な存在」もあるのに「慣習」の名のもとに存続され、業界の風通しを悪くしているという事実も、商品に思い入れがあればあるほど販売の末端に位置する店に負担をかけてしまう流通システムも。

いろいろと考えさせられてしまった。

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