84歳の現役デモンストレーターは86歳になった

2年前の3月。日本海側にある、京都の舞鶴市で仕事をした時に知り合った、当時84歳の同業者に再会した。
先だっての日曜日、やはり仕事で、彦根市の某大型スーパーに出かけた時のこと。

86歳になった彼女。
相変わらず声は朗々と響き、そつなくデモンストレーション業務をこなしていて、その現役振りはさすがと感じさせたけれど、、、。
ああ!
たかが2年、されど2年なのよねえ、、、。

以前より背中が丸くなったという「見かけ」ではなく、一挙手一頭足の「動き」に、「2年」は非情なまでにあらわれていた。

最初は、「この前に会った時より少し動作が緩慢になったかな?」と感じた程度。
それが、デモ場所でもある店内とバックヤードを行き来する彼女の足取りに、さらには仕事を終えて帰宅の電車に乗らんと駅に向かう歩き姿全体に、はっきりと加齢を見た。
時の流れとはそんなものなのだ。

それでも、帰る方向が途中まで一緒だった関係で、向かい合わせの席に座っていろいろと話をしたところ、86歳とはにわかに信じがたい頑強ぶりと、健康への並々ならぬ意識の高さを感じさせた。

1、日頃からよく歩き、他にもストレッチなどで足腰を鍛えている。
2、発酵食品をつとめてとり、健康酢も常飲。
3、休みの日は銭湯に行き、1時間半以上も湯に浸かり、じっくりと身体を温める。

いちばん感心したのが、たびたび「時代は変わった」と口にし、会社員時代の輝かしい経歴(彼女は成績優秀なセールスウーマンだった)を懐かしみはしても、「現在」をも淡々ととらえ、自分なりに受け入れていること。
「今は、やれ携帯で現場の写真を撮れの、それをメールで送れの、いろいろ(派遣会社が)言うてくる。私は、どちらもようせんけど、写真を撮るのは店の人に、送るのは携帯ショップの人に、それぞれ頼むねん。簡単なこっちゃ」。

最後に、2年前も語った「決意」を今回も呪文のように繰り返した。
「最後の最後まで働くよ。その目標があるから、気持ちにハリが出るし、1日1日が楽しい」。

彼女の生き方に学ぶ点は大きい。
しかし、そんな彼女にすら、老いは刻々と忍び寄っており、それとどう向かい合い、いかに付き合っていくかで、老後は変わってくるのだろう。

何はともあれ、健康でないと。
そのためには、レッツ・ウォーキングだね。
歩きながら、とりあえずの当てはなくてもいいからとにかく歩きながら、いろいろと考え、進んでいこうと思う。