浜大津の犬塚のけやきに、人間の業の深さを見る

写真に注目されたい。
この大きなけやきの木。昨年のクリスマスイブに浜大津(滋賀県)で仕事をした時、現場に向かう途中で見かけた。
立て札に書かれた文を読み、また帰宅してネット検索をかけると、このような逸話があった。

浄土真宗8代目の蓮如上人(1411~1499)が大津で布教をしていた時のこと。彼の活躍と人気を快く思わない他宗の門徒がその殺害を企て、膳に毒を盛った。
何も知らない上人がまさに食べ物を口にする寸前、上人の愛犬がとつぜん飛びついて自分が食べ、当然ながら犬は死んでしまった。
上人は犬が自分の身代わりになってくれたと感謝し、手厚く弔ってその上にけやきの木を植えたとか。
それが、この浜大津の犬塚のけやきなのだ。

特に動物好きでなくてもまことに哀しい話だが、犠牲になったワンちゃんの気持ちは現在に生きている。
同時に、仏の道に仕える身でありながらも人を妬んだり憎んだりする煩悩からは逃れられない。
人間の業の深さに考えさせられる。

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