吃音対策~ジョー・ジラード氏の場合

15年間のカーセールスマン生活のうち、13年間連続で全米トップの売上成績を示し(日割りすれば、1日平均の売上は何と6台! スーツや口紅や、ましてパンや豆腐ではない、車を、である)、現在はセールス関係のコンサルタントとして活躍しているジョー・ジラード氏が吃る(どもる)ようになったのは、8歳くらいの時からだと言う。

当時、ジラード少年は、働かない父親のおかげで火の車だった家計を助けるため、学校が終わると靴磨きのアルバイトに出かけていた。
飲食街をうろつき、1日の仕事を終えて安い食事や酒でくつろいでいる労働者たちに声をかけて靴を磨かせてもらい、報酬を得るのだ。
その額が少ないと、父親からは容赦のない暴力が加えられ、それを恐れたジラード少年は、いつのまにかひどく吃るようになっていたと言う。

ジラード氏は、高校を中退し、30代半ばでカーセールスの世界に入るまで、さまざまな職を転々としてきた。
組立工のような、人とあまり接することがない仕事なら、吃ってもさほど業務には影響しない。
が、カーセールスとなると違う。

自分の吃音(きつおん)をよく知っていたジラード氏は、セールスの仕事をするにあたり、吃音者だからこそ次の2つのポイントを押さえることとした。

1、自分が話したいことを、あらかしめ整理して話す。
2、相手の話をよく聞く。

皮肉にも、それは、ジラード流セールス哲学を確立する上で、大きな武器となってくれたのである。

ここで、私たちはジラード氏の体験に何を学ぶか?
それは、次回の記事にゆずろう。

写真は、滋賀県の日野に行った時にうつした、和菓子屋の店頭看板。
デモンストレーターになる前は、長年、広告デザイン関連の仕事をしてきた私は、店の看板や外装やディスプレイにも、とても関心がある。

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