昔は牛乳もトマトも濃かった。

昨日の記事で、牛乳が大量生産大量消費の波に乗るや、風味にかつての手しぼり感がなくなり、全般に薄くなった(=水っぽくなった)ことを書いた。

これって、実は卵にも言えない?
いや、トマトにも、、、。

卵のケースを取り上げるなら、私と同じ昭和30年代の農村出身者は、自家用で飼っていたニワトリの産みたて卵の味を、ギリギリで知っていると思う。
時代の流れにより、すでに鶏舎でのゲージ飼いが主流となっていたが、まだまだ縁の下などで小規模に飼育している家も多く、そうした家での朝食はそのニワトリが産んだ卵をかけた「卵かけご飯」と決まっていた。

あれ、美味しいのよ。
湯気の立つあったかご飯に産みたて卵を乗せる。
しょうゆをほんの少し垂らし、はしで卵をつぶしてご飯とかき混ぜ、ほどよい色合いになったら、口に放り込む。
口中に広がるまろやかなコクとやさしい甘さ(卵の甘味)。
脳からは、たちまち、幸せアドレナリンか出まくったものだった。

なのに、最近の卵で卵かけご飯を作っても、イマイチ。
卵ならではの濃さがなくなってきているのだ。

牛乳といい、卵といい、トマトといい、大量生産の大量消費を前提とした「高度成長のベルトライン」に移る過程で、何があったのだろう?

写真は、ベトナムホーチミンで見たニワトリ。
ホーチミンでは、ニワトリは放し飼いだった。

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