120%の力

 久方ぶりに120%の力を出して仕事を終えた。
 そんな満足感でいっぱいの今日。
 食後の酒は、いつもながらの安物の焼酎の雑種だが、ひときわ美味しく感じ
られる。

 いい酒を飲むために、
 ひいては、いい時を過ごすために、
 さらには、いい関係を周囲と築くために、
 究極的には、いい状態に自分が行くために、
 ベストを尽くして仕事をする。
 何と幸せなことか。

 この仕事は好きで就いたのではない。
 赤ん坊が大人になるくらいの年数を正社員で勤め上げた前職をリストラされ、
様々な職業(時には掛け持ちしつつ)を転々とした挙げ句に、生活のため、やむ
をえず、たどり着いた職だ。

 それでも、こんな日は、心よりこの仕事に巡り会えてよかったと思う。

 願うるなら、今日のような日が毎日つづいてくれたら。
 ありえないとは、理性で納得しているが。