雪に振り回される

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昨日と一昨日は、いやはや、売れない商品と格闘し、しんから疲れた。
この顛末は後ほど述べるとして……。

今朝起きて、窓を開けたら、雪だっ!
積もるほどではないけれど、ワルツでも舞うように、空をゆらゆら。
風はない。

「仕事が休みでよかったな」
本音が出てしまった。
と言うのは、さる2月18日に雪でエラい目にあったからだ。

連れ合いが仙台に行っていて、私一人で留守を守っていたこの日。
近所をうろつく野良猫の鳴き声のやかましさに
玄関の扉をがらりと横に引いた私の顔を、氷塊がバシッ。
屋根から滑り落ちてきた雪だった。
見渡せば、一面、銀色社会。

当日の現場は、イズミヤ松原店。
デモ商品は炊き込みご飯。
炊飯器を入れたカートを引いていかねばならない。
幸い、路上の雪に車のタイヤの後があるところから、
最寄りのバス停留所まで歩いていけそうだ。

炊飯には時間がかかるため、
前日、
私は九時半入店のところを
八時四十分入店に照準をあわせて
電車の乗り継ぎの予定を立てていた。
これが幸いした。

到着時刻をかなり過ぎてやってきたバス。
駅まで超ノロノロ運転。
「んもぅ。新快速に遅れるやん」
イライラ。
窓ガラスを叩く雪に歯ぎしりしたくなった。

やっと駅に着いたら着いたで、
その大阪方面に向かう新快速が雪の影響を受けて動かないとの知らせ。
十数分後、運転再開するも、
「新快速」を「快速」とし、
安全のため速度を落として走行するとアナウンスがあった。
JR大阪駅のホームへは、八時半過ぎに滑り込んだ。

「ああ、ここから更に松原まで行かないといけない。
環状線天王寺に出て、そこから近鉄で松原。
九時半入店は無理だ。遅れたぶん、残業か」

溜息をついていた私の目の前に、おおっ、救いの光景が。
環状線ホームに紀州路快速が止まっていたのだ。

紀州路快速に乗れば、
天王寺までの時間を大幅に短縮出来る! 
そしたら、入店時刻に間に合うかも知れない」
そうなのだ。
天王寺(阿倍野)を九時四分発で松原方面に向かう近鉄準急があったはず。
それに乗れば!

その紀州路快速。ピーッと笛が鳴り、まさに発車しようとした。
ややっ。

「待ってぇ、待ってぇ、待ってぇ」
喉も張り裂けんとばかりに絶叫し、
カートごとひた走った。
近くにいた人たちがいっせいに顔を上げる。
恥ずかしいと思うなかれ。
こんな時、
過剰なまでのパフォーマンスでアピールすれば、
大阪の電車はたいてい数秒間は待ってくれるのだ。

こちらは、京都の東の果てから、調理用具一式が入った重い荷物を持ち、
片道二時間近くをかけて来るのだよ。
一日中、立ち通し、声も出し通し、気も遣い通しで、
その上に天災による遅刻のぶん残業なんて、とんでもない。

執念の滑り込みセーフ。
計算通り、現場のイズミヤ松原店には九時二十二分、
ほぼギリギリで入店出来た。
とうぜん、残業はしないですんだ。
ホッ。

担当したグリコの「五目ご飯のもと」もよく売れ、
雪に振り回されながらも、
まずは無事にすんだ一日ではあった。