私たち試食販売の仕事は、ある意味では、「無理な要求をしてくる一部のメーカーや店舗担当者」
との闘いであり、「節度のない一部のお客様との闘い」であり、何より、「大部分の店舗が予算と
の調整に頭をいためつつも非常時に備えて実践せざるを得ない過度の冷えとの闘い」である。
今日もそのことを感じ入った一日だった。
現場は、滋賀県中部に位置する八日市。
駅に着くや、大阪や京都とは全く違う質の寒気が、空中を支配しているのがわかった。
切れ味のよい刀剣のように、鋭く肌を刺す。
店では、これに「冷房」という人工の「冷え」が加わっていた。
寒いなどという、安易(?)な言葉ではあらわしえない。
身体の芯から凍える。
冷気が細胞の一つ一つに染みるのだ。
使い捨てカイロなど、たいした効き目はない。
保温性のよい衣類を普段より一枚多く着込み、意識してユズ茶やショウガ湯を飲んで身体を温め
る他は、月並みだが、我慢する他はない。
防寒効果をうたう下着や靴下もずいぶんと試した。
ほとんどは今ひとつ期待にそってくれない。
唯一、「足の冷えない不思議な靴下」は、活躍してくれた。
ほとんどの病は「冷え」からくると言う。
実際、私たちの仲間には、腰痛や膝通、肩こり、便秘、月経異常など、冷えが原因でおこる症状
に悩む輩が、驚くほど多い。
私たちは、悲観的な予想をすれば、病気予備軍である。
冷え。
この、目に見えない、天然物にして人工物との闘いは、これからも続く。